右 小指の爪の先から ぽろぽろこわれていくわたし

薬指と中指と人差し指と親指の先へ伝わって、だんだんと 消えていく。

肘まで溶けたところ、わたしは心地よくなって 目を瞑る。

もう目を開けられなくなって 空から落ちていると感じる。

 

さっき覚えていた音が 寝る前に耳元でうるさく鳴る。

身体が固まって 声が出ない。

助けを呼ぶことも出来ない。

 

1〜10だときみが言う間に わたしは1〜2で

立ち止まり きみを待つ そのかなしさ。

 

きみに邪魔だと思って そっとよけた 布の上..

包まれて ゴミ箱へ..

 

よけた わたしの 負け

 

 

さよなら