夏にかかった水が なぜか今 床に落ちた

はおっていた着物は幻だった

生きていた場所

愛する人

それが今は昔のこと

何処へ行くか彷徨い

氷の溶ける日を待つ

何が悪いというのか

こんなことしか出来ないということ

何が悪いというのか

箱とトゲと毒

眠りについている

あなたの為


いえ

何が真実で

何が偽りか

己は何を 見つめたかったのか

うちを捨ててしまったのに。


怖い

それはこの目が

斜め下を見ること

今と明日と昨日と

己は見なければ

わたしをみなければ




なぜそれが

生きがいともいうべき存在だったのか




憎むことすら出来ずに

人 を諦めたのか。